ChromeのSplit ViewでPDFレビュー時間を半減する設定手順


PDFを見ながら仕様書やチケットを確認する作業、タブを何度も切り替えていないだろうか。Chrome 145で追加された「Split View」を使えば、1つのウィンドウ内でPDFと参照資料を左右に並べて表示できる。タブ切り替えのストレスが消えるだけでなく、注釈機能とGoogle Drive保存も組み合わせると、レビュー作業がかなり楽になる。

Split Viewで何が変わるのか

これまでPDFレビューをするとき、多くの人がこんな流れだったはずだ。

  1. PDFをChromeで開く
  2. 仕様書やチケットを別タブで開く
  3. Ctrl+Tab(またはCmd+Tab)で行ったり来たり
  4. 「さっきどこ見てたっけ」と迷子になる

Split Viewを使うと、PDFと参照資料が常に横並びで見える。視線を動かすだけで両方の情報を確認できるので、頭の中で「さっき見た内容」を保持する負担が減る。特にコードレビューで「この実装、仕様のどこに書いてあったっけ」と探すときに効く。

個人的には、外部ディスプレイがない環境(カフェや出先)でのレビュー作業がかなり快適になった。ノートPCの13〜14インチ画面でも、左右6:4くらいの比率にすればPDFの文字は十分読める。

Split Viewの起動方法

起動方法は2パターンある。

方法1:タブを右クリック

すでに開いているタブを右クリックすると、コンテキストメニューに「Open in Split View」のような項目が出る。これを選ぶと、現在のタブが左側に移動し、右側に別のタブを配置できる状態になる。

方法2:リンクを右クリック

PDFを見ているときに、本文中のリンク(参照URLなど)を右クリックして「Open link in Split View」を選ぶ。すると、PDFは左に残ったまま、リンク先が右側で開く。レビュー中に「この根拠どこだっけ」とリンクを開きたいときに便利だ。

表示されない場合

この機能はChrome 145以降で段階的に展開されている。メニューに項目が出ない場合は、まずChromeを最新版に更新する。chrome://settings/helpをアドレスバーに入力すれば、バージョン確認と更新が同時にできる。更新後は再起動を忘れずに。

それでも出ない場合は、ロールアウトがまだ自分の環境に来ていない可能性がある。数日待つか、Chrome Canary(開発版)で試すしかない。

Split View中の操作

Split Viewが起動すると、画面中央に縦の仕切り線が現れる。この仕切りをドラッグすれば、左右の幅を自由に調整できる。PDFの図表が大きいときは左を広めに、メモを書きたいときは右を広めに、といった使い分けができる。

アドレスバーの左側にSplit Viewアイコンが表示されるので、ここから追加の操作が可能だ。

  • Separate:左右を別々のウィンドウに分離
  • Close:片側だけを閉じる
  • Reverse:左右を入れ替える

「Reverse」は地味だが便利で、「やっぱりPDFを右に置きたい」と思ったときにワンクリックで入れ替えられる。

PDF注釈機能の使い方

Split Viewと同時期に、Chrome内蔵のPDFビューアにも注釈機能が追加された。これまでPDFに指摘を入れるには、ダウンロードしてAdobe AcrobatやPreviewで開いて……という手順が必要だったが、Chrome上で完結できるようになった。

PDFをChromeで開くと、上部ツールバーに波線のようなアイコン(squiggleアイコン)が見える。これをクリックすると注釈モードに入り、以下の操作ができる。

  • テキストのハイライト(色も選べる)
  • コメント(ノート)の追加
  • 署名の挿入

レビューで「ここ修正してほしい」という箇所にハイライトを入れて、コメントで指摘内容を書く、という流れがChrome内で完結する。

注意点として、注釈を入れたPDFは「名前を付けて保存」しないと変更が消える。後述のDrive保存を使うと、この手間も省ける。

Google Driveへの直接保存

PDFビューアの上部に「Save to Google Drive」ボタンが追加されている。これを押すと、注釈付きのPDFがそのままDriveに保存される。

保存先はDrive内に自動作成される「Saved from Chrome」フォルダだ。フォルダ名が固定なので、あとから整理しやすい。

この機能が便利なのは、複数人でレビューするときだ。従来は「PDF→ローカル保存→注釈追加→再アップロード→共有リンク作成」という手順が必要だった。今は「注釈追加→Drive保存→リンク共有」で終わる。

ただし、保存先フォルダは選べない(常に「Saved from Chrome」に入る)ので、プロジェクトごとにフォルダ分けしたい人は、保存後にDrive上で移動する必要がある。ここは微妙な点として正直に書いておく。

実際のレビューフロー例

Split View・注釈・Drive保存を組み合わせた、実際の作業フローを紹介する。

  1. Slackやメールで届いたPDFリンクをChromeで開く
  2. PDFのタブを右クリック → 「Open in Split View」
  3. 右側でJiraチケットや仕様書を開く
  4. PDFを読みながら、指摘箇所にハイライト+コメント
  5. レビュー完了後「Save to Google Drive」で保存
  6. DriveでPDFを選択 → 共有リンクを取得
  7. Slackに「レビュー完了」とリンクを貼る

タブ切り替えが消えるだけで、体感では作業時間が半分くらいになる。特に「どこまで見たっけ」と戻る時間がなくなるのが大きい。

向いている人・向いていない人

向いている人

  • PDFレビューが週に何度もある
  • ノートPC単体で作業することが多い
  • チームでPDFを共有する機会がある

向いていない人

  • すでにデュアルディスプレイで快適に作業できている
  • Adobe Acrobatの高度な注釈機能(墨消し、フォーム編集など)が必要
  • Chromeを使っていない(Edge派、Safari派など)

デュアルディスプレイ環境なら、正直Split Viewの恩恵は薄い。左画面にPDF、右画面にチケット、で十分だ。ただ、出先やリモートワークでディスプレイがないときの「保険」として設定を覚えておくのは悪くない。

まとめ

ChromeのSplit Viewは、派手な新機能ではないが、日常の小さなストレスを確実に減らしてくれる。PDF注釈とDrive保存を組み合わせれば、レビュー作業がChrome内でほぼ完結する。

まずはchrome://settings/helpでバージョンを確認して、145以上に更新するところから始めてみてほしい。

参考リンク