git-lrcでコミット前にAIレビューを挟む導入手順
「コミットしてからレビューで指摘される」この繰り返し、地味にストレスじゃないですか。
git-lrcは、コミット前の段階でAIがコードレビューしてくれるツールです。ステージした差分だけを解析して、行単位でコメントを返してくれます。一度セットアップすれば、マシン上の全リポジトリで自動的に動くのがポイント。
実際に導入してみたので、手順と使い勝手を紹介します。
まず何ができるか
git-lrcを入れると、git commitを打った瞬間にAIレビューが走ります。レビュー結果はブラウザで開き、GitHub風のdiff画面に行単位のコメントが付きます。重要度(severity)も表示されるので、どこから直すべきか判断しやすい。
コミット履歴にはran (iter:3, coverage:85%)のような記録が残ります。iterは修正の繰り返し回数、coverageはdiffのうちAIがレビュー済みの割合。後から「ちゃんとレビュー通したコミットか」を確認できるわけです。
インストール手順
macOS / Linuxの場合:
curl -fsSL https://livereview.hexmos.com/install.sh | sudo bash
Windowsの場合(PowerShell):
iwr -useb https://livereview.hexmos.com/install.ps1 | iex
これでバイナリが入り、Gitフックがグローバルに設定されます。
APIキーのセットアップ
インストール後に以下を実行:
git lrc setup
ブラウザが開いて、2つのAPIキーを登録する画面が出ます。
- HexmosのLiveReview API key — git-lrcの提供元で発行
- Google AI StudioのGemini API key — 無料枠で取得可能
公式によると「約1分で完了」とのこと。実際、アカウント作成済みなら本当にそれくらいで終わりました。この設定はマシンに1回だけ行えばOKで、以降は全リポジトリでフックが効きます。
使い方は2パターン
手動でレビューしてからコミット
最初はこちらから試すのがおすすめです。
git add .
git lrc review
# ブラウザでレビュー結果を確認、必要なら修正
git commit -m "機能追加"
先にレビュー内容を見て、納得してからコミットできます。いきなり自動で走ると何が起きてるかわかりにくいので、まずこの流れで慣れると良いです。
コミット時に自動レビュー
セットアップ済みなら、普通にgit commitするだけでフックが起動します。
git add .
git commit -m "バグ修正"
# → 自動でAIレビューが走る
スキップしたいときの選択肢
毎回レビューを通すのが理想ですが、現実には「今回は飛ばしたい」場面もあります。
git lrc review --vouch— AIレビューは走らせず「自分が責任を持つ」と宣言して記録git lrc review --skip— レビュー自体をスキップして記録
どちらもログには残るので、後から「意図的にスキップした」ことがわかります。
また、Gitの仕様としてgit commit -nでフック全体をスキップする方法もあります。ただしこれを多用すると導入した意味がなくなるので、チームで運用ルールを決めておくのが無難です。
送信されるデータについて
公式READMEによると、解析対象はステージされたdiffのみ。リポジトリ全体のコンテキストは送らず、レビュー後にdiffを保存しない方針とのこと。
とはいえ、業務コードを外部サービスに送ることに変わりはありません。機密情報を含むプロジェクトでは、組織のセキュリティ要件を確認してから導入してください。
正直、微妙だと感じた点
Gemini API経由なので、レスポンスの質はモデルに依存します。「これ本当に問題?」という指摘が混じることもありました。重要度が付いているとはいえ、最終判断は人間がやる前提で使うべきです。
また、ブラウザでレビュー画面を開く仕様は好み分かれそう。ターミナル完結派には少しもどかしいかもしれません。
どんな人に向いているか
- 一人で開発していてレビュー相手がいない人
- コミット前に軽くチェックを入れたい人
- 「コミットしてからtypoに気づく」を減らしたい人
逆に、すでにチームでしっかりレビュー体制があるなら、無理に入れる必要はないと思います。PRレビューと二重になって手間が増える可能性もあるので。
個人開発や小規模チームで「とりあえず何かしらのレビューを挟みたい」という場面には、導入コストが低くて良い選択肢です。